サンゴ礁の海を守れ!

興 克樹さん

興 克樹さん
奄美海洋展示館調査員

興さんの最近の活動のようすはこちら   奄美大島☆撮影日記

名瀬のような市街地のすぐそばに海亀が産卵に来る浜があるのはすごいでしょう。」
館内だけではなく海亀の上陸跡も丁寧に説明しながら案内していただいた。 オニヒトデの調査、海ガメ保護、サンゴの生態調査などなど、興さんの活動領域は広いんです。ほぼ、毎日、奄美大島のどこかの海に潜る精力的かつ息の長い活動を続けていらっしゃるので、環境保全は全く素人の私、実を言うと少々緊張気味でした。ところが、興さん、お会いしてみるととっても謙虚で親しみやすい方。
奄美大島周辺の海の特徴やリーフの状況、活動の概要を肩が凝らない語り口ですっごくわかりやすく説明してくださいます。

サンゴはその体内に共生する褐虫藻による光合成でCO2を吸収していて、実は地球にとっても優しい生き物なのですって。サンゴ礁は陸上の森林と比較して同等かそれ以上の光合成生産力を持つという説もあるのだとか。

サンゴ礁がCO2吸収に働くのか、放出なのかは長く議論されてきました。1998年に地球規模で発生した白化現象の後、劣化したサンゴ礁はCO2固定から放出にシフトしたという研究報告があり、近年、サンゴ礁の地球上のCO2固定の観点から注目されています。CO2固定というのは端的に言うと「褐虫藻の光合成によるCO2吸収量ーサンゴの呼吸や石灰化によるCO2放出量」なのだそうです。つまり、サンゴが死んでサンゴ礁に元気がなくなると、新たに吸収してくれるはずのCO2が吸収されないばかりか、これまでサンゴ礁の営みによって、海中に閉じ込められていたはずのCO2が放出されてしまう可能性があるということなんです。

奄美の島々を取り巻くサンゴ礁は白化現象の後、2001年からのオニヒトデ大量発生でさらに打撃を受けています。サンゴ礁の海に生活を委ねている漁業、ダイビングガイド業の従事者を中心に定期的にオニヒトデ駆除作業が行われているのですが、とても全島のサンゴ礁まではカバーできないのが実情。現状では重点保護ポイント定めて、その区域のオニヒトデを徹底的に駆除していくという方法がとられているそうです。

今年から一歩進んでオニヒトデの生態を調べるモニタリング調査が始まったとか。地球規模で進む環境変化の影響は奄美も無関係ではいられない。現地の賢明の保全努力を一気に無にするサンゴの白化現象も海水温の上昇以外の原因はまだ解明されてはいない。

サンゴ礁の海を守れ!

それは単に奄美に生きるシマッチュだけの問題ではすまされない。もっと広く日本中の注目に値する問題ではないでしょうか。奄美の南西諸島随一の面積を誇る森と、島を取り巻く広大なサンゴ礁は生物学的見地だけではなく、地球t温暖化抑制の観点からももっともっと注目されてほしいと思います。

興さんは奄美近海の生態調査を行いながら、出会った生物や光景を写真や映像に記録するという活動もしていらっしゃいます。海洋展示館の映像ルームでは、興さんが撮影したビデオが上映されています。また、来年はこれまでに撮影した映像を60分程度にまとめたDVDを発表されるそうです。

微力に過ぎませんが、やちゃぼうねっとでは興さんのサンゴ礁保護を中心とした環境保全活動を応援していきたい。今後も彼の活動のようすを継続的に紹介しながら応援していきます。

エディターPick up!

興さんが発信している「奄美大島☆撮影日記」から、やちゃぼうねっとのエディターが話題をピックアップしてご紹介します。

 

7/17 注意!!!<ウンバチイソギンチャク
白化により死滅した枝サンゴが堆積し、藻に覆われているところに付着していました」毒があるそうです。

7/30 大漁?<オニヒトデ幼生採集>
オニヒトデ産卵ピークで猛暑の海で幼生採集に励む興さんのようす。このあと、8月は沖永良部島でウミガメ産卵調査と群島を駆け巡っています。

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